2014年12月2日火曜日

米中間選挙オバマ氏大敗 決める政治を


(対象範囲116日朝刊~1111日朝刊)

筆者:ジャーナリズムスタジオ1年B班井手千夏


 114日米中間選挙の投開票が行われ、共和党が上院議席の過半数を獲得し、オバマ大統領有する民主党は大敗する結果となった。朝日、毎日、読売大手3紙は各紙とも紙面を割いて一面トップで報じている。

116日付朝刊で各紙社説に掲載している。朝日は「望みつなぎたい」「民主にまだ希望」と述べ、毎日はオバマ大統領の迷走を懸念しつつも、後世に渡すレガシーを作ってもらいたいと述べており、この2社は民主党やオバマ大統領に少なからず期待を抱いている。一方読売は、オバマ大統領に対する批判が強く、他の2社に比べて民主党にマイナスな評価をしている。3紙はアメリカ総局長の論文を掲載している。読売は116日朝刊2面で、今回の米中間選挙の「米国政治の今」を端的に象徴したとして、無所属候補のグレッグ・オーマン氏に着目しており、他の2社は民主党・共和党に関連した記事ばかりであったのでなかなかおもしろい切り口であった。朝日は116日朝刊1面で、大統領と共和党が互いに歩み寄り課題に対処していくようにと、不信の目が向けられている議会に対して政治の漂流を止めるよう求めている。毎日は116日朝刊2面でTPPにおける日米交渉に厳しさを感じており、日本政府にとって難しい交渉になりそうだと述べている。

 一方3紙に特徴的な点として、毎日は118日朝刊10面で一ページを使った特集面を掲載し、民主の敗因・今後の展望・外交についての3人の有識者の話を大きく載せ、節目感を出していた。また、今回の中間選挙で民主党が大敗したことでオバマ大統領がレームダッグ(死に体)になるとの指摘を踏まえ、「なるほドリ」という解説欄でレームダッグについての解説をしっかり載せており、このような語句に馴染みのない人でも理解できるようにとの工夫が感じられる。読売は116日朝刊6面で日本への影響についての有識者の話を載せ、朝日はフランシス・フクヤマがこのことについて分析したコメントを載せている。また朝日は、116日朝刊11面で地元民のコメントを載せており、地元目線の意見を載せたのは評価できる。

 米の世論は次の大統領選についてもう動き出している。3紙とも次期大統領候補にヒラリー・クリントン氏をあげている。読売は117日朝刊7面で、朝日は116日朝刊10面で顔写真付きで候補者について詳しく書いているものの、毎日は116日朝刊3面でわずかに触れているにすぎなかった。

 米大統領選挙は全世界に影響を与える重大な出来事だ。これからの動向に注目しつつ、3紙には更に掘り下げた分析記事を期待したい。

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