2015年1月22日木曜日

はやぶさ2 期待を胸に宇宙へ

 
(対象記事:12月3日付夕刊~12月10日付朝刊)
横浜国立大学ジャーナリズムスタジオ1年A班 阪口奈央

 12月3日午後、はやぶさ2の打ち上げが成功した。日本の技術を世界に知らしめたともいえるこのニュースを朝日、毎日、読売3紙は解説を交えながら伝えた。

 毎日は12月4日朝刊の社説で「宇宙の旅を応援したい」と題し、国民の理解や支援があってこそ一見役に立たない科学調査は成り立つとした。読売は12月6日朝刊の社説で「生命の起源なる壮大な旅だ」とし、今回の開発で育った人材や技術を今後に生かすのが重要であることに言及した。さらに、日本が小惑星以外は宇宙研究で後れをとっていることや予算が頭打ちであること、探査機開発の効率化という点にも触れた。

 また、3社はそれぞれ12月4日朝刊1面のコラムでそれぞれの視点からはやぶさ2の打ち上げ成功を扱った。朝日は「天声人語」で「ハヤブサ」の鳥の特徴を挙げたうえで、様々なところで「はやぶさ」という名前がつかわれているということを取り上げた。毎日は「余禄」で探査の対象である小惑星に注目し、「仮面ライダー」「トトロ」といったような名前の小惑星があることを紹介した。読売は「編集手帳」で天皇皇后、万葉集の和歌を引用したうえで、はやぶさ2が帰還する2020年の日本はどうなっているのか、今回の衆院選でどのように日本が変わるのかということを言及した。3社とも全く違う見方でコラムを載せており、興味深かった。

 3社は共通して、一般の人がはやぶさ2の打ち上げを見守る姿がわかる写真を掲載しており、今回の打ち上げが一般の人からも関心を集めていることを示した。朝日は6日朝刊17面で宇宙航空研究開発機構(JAXA)シニアフェローの川口淳一郎氏のインタビューを掲載した。また、毎日は4日朝刊27面でスカイツリー、はやぶさが向かった小惑星イトカワ、はやぶさ2が今回向かう小惑星1999JU3の大きさを写真で比較した。そして6日朝刊31面で一般からの寄附で開発のカメラが活躍している記事を載せた。読売は、4日朝刊6面でそれぞれの部品に貢献した日本企業を紹介、39面で病死したJAXAの助教のエピソードを載せている。ここでも上記のコラムのように違った視点からはやぶさ2打ち上げを取り上げおり、焦点の当て方の違いがみられてよかった。

 日本の誇りともいえるはやぶさ2打ち上げ成功のニュースを各社独自の目線で伝えている。2020年、はやぶさ2が帰還したときも今回のように各社独自の色を出していってほしい。

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